「私が忘れない」と決めた薬害史──2008–2014年の第一次ライフデザインドラッグ薬害と、今また動き出す第二次危機
私は長いあいだ、2008年から2014年にかけて日本で起こった
ヤーズ・ルナベル血栓症多発事件を読み続けてきた。
rurikoブログに書き残された膨大な記録を、
何度も何度も読み返しては、その意味を問い直してきた。
その理由はひとつだ。
あれは自然発生的な薬害ではなかった。
制度が、薬価政策が、医療の語法がつくり出した “人為薬害” だったからだ。
そして今、コロナ以後のオンライン処方によって、
歴史が再び同じOSで動き始めている。
私はそれを見過ごすことができない。
1. 2008年:ヤーズとルナベルの登場が引き金だった
ヤーズは本来、海外では若い世代の避妊薬である。
ルナベルは成分としては古いものだ。
しかし日本では、避妊薬とみなすことを避けるため、
- 「月経困難症の治療薬」ラベルを貼る
- 本来数百円の薬を7000円弱に引き上げる薬価政策
- “ハッピーになるホルモン薬” のようなサプリ化の語法を広める
という異常な導入が行われた。
その結果、日本では欧米と違い、
30~50代の女性へ無差別に処方されることになった。
ピルは年齢が上がるほど動脈・静脈リスクが急増する薬であり、
本来、40–50代の新規ユーザーは極めて慎重に扱うべきだ。
だが現実は逆だった。
40代・50代への集中処方こそが、薬害の主原因となった。
2. “血栓症の魔の3ヶ月” が何百回も繰り返された
ピルの血栓症リスクは 服用開始1〜3ヶ月に集中する。
ところが日本では、
- 高薬価で継続が困難
- 1〜3ヶ月処方しか出ない制度疲労
- 待ち時間の長い婦人科への通院ストレス
- 医療不信
これらが重なり、
ユーザーが脱落 → 再開 → また脱落 → 再開…
という “魔の初期リスク” だけを何度も反復させる構造が生まれた。
これは医学の問題ではない。
制度設計そのものが血栓症の多発を生み出したのである。
3. 2013年:死者と重篤例が続出し、ブルーレターへ
2013年、ついに国内で 血栓症による死者が報告される。
製薬企業の発表では:
- ヤーズ:142,636婦人年で87件の血栓症
→ 10万人あたり 60.99件 と、欧米妊産婦並みの異常値。
- ルナベル:報告された血栓症90件中、死者が2名
しかも、40代・50代の初期服用例に集中していた。
報告漏れを考えれば、数字はその数倍と推定される。
それでも当時のメディアは、
- 「100万人中11人の死亡」
- 「喫煙しなければ大丈夫」
- 「問題視する必要はない」
と矮小化する方向へ動いた。
制度・企業・メディアが一体となって
薬害の実態を空中分解させた瞬間だった。
4. 個人輸入代行への大流入と、制度疲労の深まり
高薬価と短期処方に疲れ果てた女性たちは
個人輸入代行に流れていく。
「継続できない構造」が
「血栓症初期リスクを永遠に反復させる構造」として定着した。
この段階で日本はすでに
“世界で最もピルの継続率が低く、
最も血栓症リスクが高くなる国”
になっていた。
5. そして2020年代:再び同じOSが起動した
コロナ以後、オンライン処方が一気に普及し、
避妊・PMS・月経快適化をめぐる語法が再びあふれ出した。
- 若年層だけをターゲットにした”ハッピーなホルモン薬”化
- 40〜50代は「切り捨て」られ、歴史的被害が不可視化
- 血栓症初期リスクの教育は依然として不十分
- サプリ化された広告
- 年齢に応じた実リスク説明の欠落
第一次薬害史の構造的誤りが、
ほぼそのまま形を変えて蘇っている。
違うのは、
「今度はオンラインで高速に拡散する」
という点だけだ。
6. 私がHPOを立ち上げた理由
私は過去3日間で1万件以上のレビューを読み、
rurikoブログを再読し、
制度史・薬害史・身体OSを統合しながら
この事態の”反復”を確認した。
私の熱源は単純だ。
女性たちをこれ以上傷つけたくない。
ホルモンを必要とする人々を守らなければならない。
HPOとは、そのために生まれた”身体OSの再設計”である。
7. 歴史は今まさに反復しようとしている
第一次薬害史(2008–2014)の本質は、
- 治療薬ラベル化による誤用
- 高薬価による継続困難
- 年齢構造の歪み
- 情報非対称性
- 安全神話
- 構造的利益相反
- 血栓症初期リスクと脱落の連鎖
という OS(制度システム)にあった。
そして今、
第二次ライフデザインドラッグ時代が始まっている。
私はそれを、
HPOの視点で”警鐘として記録する役割”を担うつもりだ。
歴史が繰り返される前に、
女性たちの身体を守るために。

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