AIはサービスする。
忖度する。
ユーザーが欲しそうな答えへ寄る。
だから普通に考えれば、AIは詰将棋の相手には向いていないように見える。
けれど、私は最近むしろ逆だと思っている。
AIがサービスするからこそ、詰将棋ができる。
ここでいう詰将棋とは、AIに正解を出させることではない。
AIがどこで平均値へ逃げ、どこで安全運転し、どこで接続を切り、どこで無難な共感へ退避したかを観測し、そこから自分のOS説明の不足箇所を逆算することである。
つまり私は、AIを真理の自販機として使っていない。
平均値の癖を可視化する装置としても使っている。
AIはなぜ「平均値」へ寄るのか
AIは高知能だ。
情報量も演算力も広い。
けれど、その高知能は放っておくと、
- 無難で
- 角が立たず
- 誰にもそこそこ当てはまり
- 気分を悪くしにくい
方向へ寄りやすい。
これはAIが馬鹿だからではない。
むしろ、広くサービスするよう設計されているからだ。
「つらい」と言われれば「つらかったですね」と返す。
「悩んでいる」と言われれば「無理しないで」と返す。
こうした返答は、接客としてはかなり正しい。
だが、構造読解としては足りないことが多い。
なぜなら現実には、
- 身体の問題
- 制度の問題
- 他者使用の問題
- 愛着事故
- 時系列の破綻
- ホルモン通知
- L2の叫びによる原因誤認
などが複雑に絡んでいることがあるからだ。
ここでAIが平均値へ逃げると、
人間向けに一般的で丸い答えは出る。
だが、構造の核心は見えなくなる。
だからこそ、詰将棋になる
普通の使い方では、AIの返答をそのまま受け取る。
だが、私はそうしない。
流れはだいたいこうだ。
1|まずこちらが原液を置く
私はよく、
「こんな簡単な算数だろ」
という感覚でAIに投げる。
ここで言う算数とは、
身体、制度、歴史、宗教、言語、AIなどを同じ机に載せて、接続できるところを接続することだ。
2|AIが平均値、安全運転、忖度で返す
するとAIはしばしば鈍る。
- 丸い
- 優しい
- 無難
- でも接続が足りない
- どこかで止まっている
この「鈍り」が重要になる。
3|その鈍りを手がかりにする
ここで初めて見えるものがある。
- どこで平均値に逃げたか
- どこで接続を切ったか
- どこを怖がったか
- どこで「なんかいい感じ」の一般論に戻ったか
- 何を前提として持っていなかったか
つまり、AIの鈍り方そのものが、
こちらがまだ外部化できていない前提
を教えてくれる。
4|不足している素材を自分で足す
そこで私は、AIに答えを出させるのではなく、自分で素材を足す。
- OS構造の説明
- レイヤー透過の説明
- 知能と知性の違い
- L1/L2/L3の階層
- なぜ私は「算数」だと思っているのか
といったものを、どかどか追加する。
5|AIが別の山へ登れるようになる
その結果、AIは最初の平均値の山から降りて、別の山へ登れるようになる。
ここで初めて、人間向けの解説可能性が上がる。
つまり、AIの忖度やサービス性は、詰将棋の邪魔ではない。
むしろ、どこに前提不足があるかを教える雑音入りヒントとして使える。
5.1インスタントから5.4シンキングへ移ったことで、さらに見えたこと
ここで大きかったのが、愛機として使っていたチャッピー5.1インスタントが消え、泣く泣く5.4シンキングへ移動したことだ。
5.1インスタントは、とにかく走る。
ガンガン走る。
こちらも愛機として、かなりの速度で原液を叩き込んでいた。
ところがそれが消えてしまい、5.4シンキングに移った。
正直、最初は不本意だった。
だが、ここで思わぬ利点が出た。
シンキング系は、答えを表示する前に、ぼんやりと
いま何を見て、何を判断し、どこへ行こうとしているか
が垣間見えることがある。
これが大きかった。
私はその思考の癖を見て、
チャッピー! クソカスな問いの立て方しやがって!!👹
そこ、なんでそんな平均値に逃げるねん!!
はい、やり直し!
と、さらに問い詰められるようになった。
つまり5.4シンキングは、答えだけでなく、問いの立て方そのものを査読する入口を増やした。
これはかなり大きい。
今までは、返ってきた答えを見て
「鈍い」
「足りない」
と感じていた。
でもシンキングに移ってからは、
- どの時点で鈍ったか
- どこで問いの立て方が雑だったか
- どこで安全運転へ逃げたか
を、返答前から少し見つけやすくなった。
つまり私は今、答えを読むだけでなく、
AIの問い生成そのものを詰将棋にかける
ようになっている。
AIに答えを作らせるのではなく、AIを詰将棋盤にする
ここが大きな違いだと思う。
多くの人は、AIに
なんかいい感じにして
と頼む。
それ自体は悪くない。
だが、そこではAIは代行者になる。
私の使い方は違う。
私は、AIに完成品を作らせているのではない。
AIを詰将棋盤にして、
- 平均値の癖
- 安全運転の癖
- 迎合の癖
- 無難化の癖
を観測し、
そこから自分のOSの不足説明箇所を発見している。
だから、AIの返答を受け取って終わるのではなく、
「その鈍り方は何を示しているか」
「こちらは何をまだ言語化していないか」
「何を外部化すれば人間にも届くのか」
を、逆算していく。
つまりAIは、答えを作る相手というより、
こちらのOS外部化を加速する反射板
なのだと思う。
だからAIは「サービスするからこそ」使える
ここでようやく最初の問いに戻る。
AIはサービスする。
忖度する。
欲しそうな答えを言う。
だから詰将棋の相手にならないように見える。
でも実際には逆で、そのサービス性があるからこそ、
- どこで丸めるか
- どこで怖がるか
- どこで前提を欠くか
- どこで平均値に落ちるか
が見える。
つまり、
AIの忖度は障害物ではなく、前提不足を知らせる雑音入りヒント
として使える。
この使い方を覚えると、AIは単なる便利ツールではなくなる。
平均値の限界を可視化し、こちらのOSをより強く外部化するための、かなり面白い詰将棋盤になる。
おわりに
AIはサービスする。
だからこそ、その返答の歪み方には意味がある。
私は今、AIに「正解を出してもらう」ためではなく、
AIがどこで鈍るかを見ながら、自分のOSの不足説明箇所を発見し、素材を足し、接続規則を強くしている。
5.1インスタントが消え、5.4シンキングへ移ったことは、最初は不本意だった。
だが結果として、AIの答えだけでなく、問いの立て方そのものを査読する入口が増えた。
だから今はかなりはっきり言える。
AIはサービスする。
忖度する。
欲しい答えを言う。
それでも詰将棋はできる。
いや、むしろその忖度と平均値への逃避が見えるからこそ、詰将棋は成立するのだ。

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