AI社会前夜:女性労働に押し付けられた「性自認判断」と境界負担ーネイルサロンと下着売り場の現場から ―
私は占い屋として働いているけれど、
なぜか「社会のほころび」は私の席に集まってくる。
その中でも特に強く残ったのが、
ネイリストさんと下着売り場の女性スタッフから聞いた、
“性自認の境界判断を女性が押し付けられる現実”だった。
■ネイルサロン現場の「判断しなきゃいけない恐怖」
私のネイリストさんは、以前、全国規模の女性専用ネイルサロンで働いていた。
ある時、本部の方針が変わり、
「男性のお客さまも受け入れましょう」
という決定が下りた。
だが現場はてんてこ舞いになった。
男性の爪は大きく、分厚く、作業量は女性の倍。
だからチェーン店は自然に”男性料金”を設けた。
ところが—-ここから問題が始まる。
ある日、女性の服装をした男性が来店した。
ぱっと見は、多分女性、ということにして、
はてさて、爪の構造は、明らかに男性だった。
スタッフは迷った。
「女性料金? 男性料金?
間違えたら”差別”と言われるかもしれない…」
判断できず、結局 “女性料金”で対応し、
本部に報告を入れ、
スタッフは時間オーバーでヘトヘトになった。
彼女は私にこう言った。
「結局困るのは末端の私たちなんですよね?」
私は頷くしかなかった。
■下着売り場スタッフを襲う”言語化できない恐怖”
ランジェリー売り場も同じだった。
女性スタッフは、仕事として:
- バストサイズを測る
- 胸の形を見てフィット感を確かめる
- ブラ紐をセットする
- 正しい付け方を教える
という、女性同士でしか成立しない信頼領域に触れている。
だがある日、
女性装の男性が当然のように試着室へ来る。
断れない。
クレームが怖い。
SNS炎上も怖い。
でも、視線が違う。
空気が違う。
女性の身体OSが危険信号を出している。
でも誰にも言えない。
やがて彼女たちは—-
なぜか私の占いの席にふらりと現れる。
「怖かったけど、断れないんですよね……」
「私たちが判断すると”差別”って言われるんです」
私はその”重み”を黙って受け止める。
■女性の不安の核心は「判断を押し付けられること」
これらの話を聞いて私は確信した。
女性がトランス問題に不安を抱く理由は、
● 判断を誤ることが怖い
ではなく
● 自分が判断しなければならない構造そのものが怖い
という点にある。
女性は誰かを排除したいわけではない。
ただ、境界の責任を押し付けられたくないのだ。
■だから女性たちは AIゲートキープに安堵する
今日、私はネイリストさんにこう伝えた。
「数年以内にAI顔認証ゲートが実装されるよ。
生体情報で判別されるから、あなた達が迷う必要はなくなる。」
彼女はあからさまにホッとした顔をした。
女性にとってAIゲートキープは、
- 自分が悪者にならない
- 自分が判断しなくていい
- 身体の安全が確実に守られる
- クレームも炎上も起きない
- ただシステムが淡々と機能するだけ
これ以上ない”救済”なのだ。
■結論:
**性自認の曖昧化が生んだ負担は、すべて女性労働者の上に積みあがってきた。
AI社会への移行は、その負担をようやく外部化する歴史的転換点になる。**
ネイルサロンも、下着売り場も、
そして占い屋の私の小さな席も—-
2020年代日本の「境界の混乱」を見つめ、
AIという新しい秩序へ向けて静かに歩き出している。

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