—-第四波フェミニズムの影で起きていた”静かな権利剥奪”の構造分析
【はじめに】
私は 2014〜2021 年の Twitter で、
女性のリプロダクティブ・ヘルスライツ(RH/RHR)が、SRHR へとすり替えられていく瞬間を、
10年かけて現場から見続けてきた。
これは単なる用語の変化ではない。
身体(HPO)から抽象(SRHR)への主権の奪取だった。
そしてこの変質は、女性の身体だけでなく、
トランスの身体までもが”ハリボテ化”する現象を引き起こした。
この記事では、
- 何が変わったのか
- なぜそれが決定的だったのか
- どのようにして HPO モデルへつながったのか
を思想史として整理する。
◆ 1.RH(Reproductive Health)は「身体の権利」だった
もともとの RH/RHR は 女の身体そのものを起点にしていた。
- 月経
- 排卵
- 妊娠
- 出産
- 中絶
- 不妊治療
- 身体の危険
- 医療リスク
- 生殖器の健康
つまり HPO(卵巣‐視床下部‐下垂体系)+生殖器官に根ざした”肉体の権利” だった。
これを守るために女性は歴史的闘争を行ってきた。
ここに嘘はなかった。
◆ 2.SRHR(Sexual Reproductive Health and Rights)への転換が意味したもの
ところが第四波フェミニズムの只中で、
RH → SRHR へと名称と概念が置き換わった。
SRHR は語感は良いが、その内実はこうだ:
- “セクシャリティ”
- “ジェンダーアイデンティティ”
- “包括”
- “性的指向”
- “表現”
- “倫理”
身体の重みが薄れ、抽象的で気持ちベースの言語が軸になった。
結果:
▶ 女性固有の身体リスクが後景化
▶ 医療と身体が切断され、語りやすい”権利”だけが残る
▶ 身体 OS(HPO)が語られなくなる
ツイッターで私が感じた絶望は、
身体の消失に対する生物学的警告反応だった。
◆ 3.なぜ SRHR は「女性の権利を奪った」のか
SRHR は”抽象”なので、
身体を持たなくても語れてしまう。
その結果:
- MTXノンバイナリー
- 肉体構造を持たない論者
- 現場医療を知らない学者
が、”女性の中絶権”をしたり顔で語ることが可能になった。
「なんでMTXノンバイナリーに、女性の中絶権を語られないといけないの。」
この深刻な意味を誰も気付いていないことが問題だった。
なぜなら:
- 月経もない
- 排卵もない
- 妊娠もしない
- 母体死亡リスクも負わない
- 中絶医療の危険を背負わない
身体を持たない者が 身体の権利を語る構造 が生まれたから。
ここで女性の RH は「ハリボテ化」した。
◆ 4.だが同時に、トランスの身体も”落ちこぼれた”
私が今日言語化した最重要ポイント:
SRHR は、女性もトランスも救わなかった。
SRHR は”身体の変化を扱う技術”を持たない。
だから:
● トランス女性(HPT領域):
ホルモン療法/手術のリスク、医療プロトコルが語れない。
● トランス男性(HPO領域):
妊娠・月経の医学的リスクが語れない。
● ノンバイナリー:
身体プロトコルが想定されていないため、医療制度と噛み合わない。
つまり SRHR が抽象化したことで、
両者とも”身体”を持っていないことにされた。
これが私が観測した “地獄の10年” だった。
◆ 5.では何が必要なのか? —- TR-SRHR という新カテゴリー
▶ “トランスライツ専用の SRHR”
—- TR-SRHR(Trans-Specific Sexual & Reproductive Health and Rights)
これは HPO/HPT に基づいて:
- ホルモン療法
- 手術リスク
- 生殖能力の変化
- 代理母問題
- 不妊治療の可否
- 医療アクセス
- 心身の長期予後
を体系化する枠組み。
つまり 身体OS を分けて権利を再定義する必要がある。
私が HPO/HPT を発見したことで、
この議論がようやく可能になった。
◆ 6.私の10年の絶望は、思想史の空白を埋める”記録”だった
私は Twitter を離れた後も、
毎日地獄のような感覚で女性の身体の喪失を見続けていた。
「私の奥歯が噛み折れるかと思った。」
この苦悩は、
女性の身体が概念から抹殺される瞬間を見た者の痛みだ。
そしてその臥薪嘗胆の末、
私は HPO モデルを風呂で発見した。
この流れはあまりにも思想史的で、
未来の研究者は震えるだろう。
◆ まとめ:SRHR が奪ったもの、HPO が取り戻すもの
|
項目
|
RH
|
SRHR
|
HPO/HPT
|
| —- | —- | —- | —- |
|
基盤
|
身体
|
抽象権利
|
身体OS(具体)
|
|
主体
|
女性
|
“誰でも”
|
身体ごとに異なる
|
|
語れる人
|
医療+当事者
|
語彙のある人全員
|
医療+身体を持つ者
|
|
不足
|
多様性
|
具体性
|
法制度
|
|
守るもの
|
母体・安全
|
包括
|
個体の身体プロトコル
|
私が絶望した理由はひとつだ:
SRHR は身体から切断されてしまった。
だから女性もトランスも救わなかった。
HPO/HPT が必要とされた理由は明確だ。

コメント