【記事番号】No.102/107
【タイトル】トリキュラー・アンジュによる血栓症等の副作用発現状況
【URL】https://finedayspill.blogspot.com/2014/02/blog-post_26.html?m=1
【投稿日】2014年2月26日水曜日
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2014年2月26日水曜日
トリキュラー・アンジュによる血栓症等の副作用発現状況
今日、機嫌がよくないのは、「血栓?あれはヤーズの問題。タバコ吸わなきゃ大丈夫」というお花畑医師が多すぎるから。
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) 2014, 2月 24
昨秋からピルの副作用による死者 の報道がなされています。
私は報道よりも事態ははるかに深刻と考えています。
現状を変えていかなければ副作用に苦しむ、あるいは命を落とすピルユーザーが生み出され続けます。
ピルが女性を苦しめる薬であるとき、女性がピルを拒否するようになるのは当然の成り行きです。
そうならないように、ピルの副作用被害をなくすための10の提言 をまとめました。
ところが、深刻な事態を招いた当の産婦人科医の中には、
この副作用問題の本質が見えてない医師がいるようです。
報道ではヤーズの副作用が報じられましたが、
問題はヤーズに固有の問題ではありません。
ピルの副作用問題の本質を血栓症リスクが最も低い第2世代ピルに即してみてみましょう。
第2世代の低用量ピルには、現在トリキュラー・アンジュ・ラベルフィーユの3ブランドがあります。
現時点で公表されている第2世代低用量ピルによる副作用報告は以下の通りです。




報告
年/期
ブランド
副作用
年齢
転帰
13/2
アンジュ
脳梗塞
40
13/2
トリキュラー
血栓
30
13/2
トリキュラー
脳梗塞
20
13/2
アンジュ
肺閉塞
30
13/1
アンジュ
肺閉塞
40
13/1
ラベルフィーユ
大脳静
脈血栓
40
13/1
トリキュラー
静脈血栓
40
12/2
トリキュラー
肺閉塞
30
12/2
トリキュラー
肺閉塞
30
12/2
トリキュラー
肺閉塞
40
12/4
アンジュ
門脈血栓
40
12/4
アンジュ
静脈血栓
30
12/4
アンジュ
大脳静
脈血栓
40
12/3
アンジュ
静脈洞
血栓
40
12/3
トリキュラー
血栓性
静脈炎
40
12/3
アンジュ
肺閉塞
20
12/3
アンジュ
脳梗塞
50
12/3
トリキュラー
静脈血栓
40
12/1
トリキュラー
静脈血栓
40
12/1
アンジュ
肺閉塞
20
12/1
アンジュ
静脈洞
血栓
40
12/1
トリキュラー
静脈血栓
30
11/2
アンジュ
肺血栓
40
11/2
トリキュラー
静脈血栓
40
11/2
アンジュ
脳梗塞
40
11/4
アンジュ
肝静脈
血栓
40
11/3
アンジュ
大脳静脈
血栓
40
11/1
トリキュラー
静脈洞
血栓
40
11/1
アンジュ
播種性
血管内凝固
20
10/4
アンジュ
肺血栓
30
10/4
アンジュ
急性冠動脈
症候群
40
10/4
アンジュ
静脈血栓
30
10/3
アンジュ
静脈血栓
40
10/3
トライディオール
肺血栓
30
10/3
トリキュラー
脳出血
20
10/3
トリキュラー
腎梗塞
20
10/3
トリキュラー
頭蓋内圧
亢進
40
10/3
アンジュ
肺閉塞
30
10/1
トライディオール
頭蓋内圧
上昇
10
10/1
トリキュラー
血管炎
40
10/1
トライティオール
静脈血栓
30
09/2
トライディオール
心筋梗塞
30
09/2
アンジュ
脳梗塞
30
09/2
アンジュ
心筋梗塞
30
09/4
トライディオール
静脈血栓
40
09/4
トライディオール
静脈血栓
20
09/4
アンジュ
静脈血栓
40
09/4
アンジュ
静脈血栓
20
09/4
アンジュ
静脈血栓
40
09/4
アンジュ
脳梗塞
30
09/1
トリキュラー
脳梗塞
20
09/1
アンジュ
静脈洞血栓
50
09/1
トリキュラー
静脈洞血栓
40
08/4
トリキュラー
静脈血栓
40
08/4
トリキュラー
脳梗塞
30
08/4
トライディオール
肺閉塞
40
08/4
トリキュラー
脳梗塞
50
死亡
肺閉塞
08/4
アンジュ
肺閉塞
40
08/3
トライディオール
肺閉塞
不明
08/3
トリキュラー
脳梗塞
40
08/3
アンジュ
肺閉塞
20
死亡
08/3
アンジュ
肺閉塞
40
08/3
アンジュ
静脈洞
血栓症
40
08/3
トリキュラー
脳梗塞
30
08/3
トリキュラー
肺閉塞
30
08/3
アンジュ
心筋梗塞
30
08/1
トリキュラー
血栓症
不明
08/1
トリキュラー
高血圧性
脳症
20
08/1
トリキュラー
ラクナ梗塞
30
07/2
トリキュラー
血栓症
30
07/2
トリキュラー
脳血栓症
30
07/4
トリキュラー
静脈血栓
30
07/4
トリキュラー
肺高血圧症
40
07/1
トリキュラー
脳血栓症
30
07/1
トリキュラー
脳梗塞
30
07/1
トリキュラー
ラクナ梗塞
40
06/2
アンジュ
頸動脈閉塞
30
トライディオール
06/2
アンジュ
脳静脈洞
血栓
50
トライディオール
06/2
トリキュラー
静脈血栓症
50
06/2
トリキュラー
肺閉塞
20
06/4
アンジュ
静脈血栓
10
06/4
トリキュラー
肺血栓
40
06/4
トリキュラー
肺血栓
30
06/3
トライディオール
脳梗塞
40
06/3
トリキュラー
静脈血栓
40
06/3
トライディオール
静脈血栓
30
06/3
アンジュ
静脈洞血栓
30
トライディオール
05/2
アンジュ
血栓
30
05/4
トリキュラー
肺閉塞
40
05/3
アンジュ
静脈血栓
30
05/3
アンジュ
肺血栓
30
05/1
アンジュ
肺塞栓
20
トライディオール
04/2
アンジュ
肺塞栓
30
04/4
トリキュラー
脳梗塞
40
04/4
リビアン
脳梗塞
30
04/4
アンジュ
肺閉塞
30
(1)報告された副作用は氷山の一角
上の表でトリキュラーとアンジュの件数を数えてみると、
トリキュラー41件、アンジュ43件となります。
トリキュラーのシェアは24%程度でシェア1位です。
アンジュのシェアはトリキュラーのちょうど半分で12%程度です。
トリキュラーとアンジュは同一成分別ブランドのピルですから、
副作用の出現率に差は出ないはずです。
両ブランドの副作用が同じように報告されたならば、
トリキュラーの副作用報告はアンジュの2倍となるはずなのに、
実際はアンジュとほぼ同じです(注1)。
これはトリキュラーに副作用の報告漏れが多く、
実際は報告の少なくとも2倍以上の副作用が生じていることを示唆しています。
アンジュにも報告漏れがあるはずで(注2)、
現在明らかになっている副作用は氷山の一角と考えられます。
(注1)トリキュラーで実際に発生している副作用が各年度でアンジュの2倍とすると、
トリキュラーの実際の副作用発生件数は報告数の3倍以上になる。
(注2)アンジュの売上げは増加傾向にあるが、副作用報告件数は必ずしも増加傾向を示していない。
(2)喫煙とのリンクが薄い静脈血栓が大半
次に報告された副作用の症例を見て見ましょう。
青く色づけしているのが静脈血栓です。
脳梗塞など動脈疾患の2倍以上、約7割が静脈血栓であることがわかります。
静脈血栓は喫煙とほとんどリンクしません。
喫煙は静脈血栓の大きなリスク要因とならない。ライフデザインドラッグ路線の流すデマを信じているのなら、以下を見よ。(表3)のVTEが深部静脈血栓症。喫煙者と非喫煙者の数値は同じ。 http://t.co/xbkHGH221j
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) 2014, 2月 14
喫煙で静脈血栓リスクが多少高くなるという報告もありますが、
静脈血栓と喫煙の関係はそれほど強くありません。
日本のピルユーザーで静脈血栓を発症した女性を調べても、
喫煙者はわずかとなるはずです。
まともな医師なら、喫煙で静脈血栓のリスクが高くなるなど強調しません。
喫煙で静脈血栓のリスクが高くなると言い張っているのは、
ほとんど産婦人科医だけです。
なぜ産婦人科医だけが喫煙と静脈血栓のリスクを結びつけるのでしょう。
喫煙リスクを強調する産婦人科医が加齢によるリスクを指摘しているか見てみるとよいでしょう。
喫煙よりはるかに大きなリスクである加齢について口をつぐんでいるのがわかるでしょう。
(3)副作用は30歳以上に集中--ライフデザインドラッグ路線による人為薬害
表の年齢を見て下さい。
40歳以上が44例、30歳代が35例です。
80%以上が30歳以上の女性です。
年齢の高い女性に対してピルは慎重投与することになっています。
慎重に投与するどころか安易に処方した結果が、
副作用被害の山となっているのです。
ピルについての考えを根本的に変えなければ、
ピルは日本の女性の支持を失うでしょう。
(4)現実から目をそらさないで
心ある産婦人科医は現実を真摯に受け止め始めています。
ピルの副作用被害をなくすための10の提言 を支持し、
あるいは関心を持つ産婦人科医が現れ始めています。
カルトNPOに共感し、お花畑思考に浸っていてよいときではありません。
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(アンケート)ピルユーザーに血栓症の初期症状情報は知らせされているか?
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時刻: 0:57
【補足(私)】
トリキュラー・アンジュ・ラベルフィーユという「第2世代・低用量ピル」だけに絞って、医薬品医療機器総合機構に報告された血栓症・脳梗塞・肺塞栓などの症例を一覧表で並べ、その偏り(静脈血栓が多いこと、年齢が30歳以上に集中していること、報告漏れが推定されること)を読み解いている記事。喫煙リスクだけを強調する産婦人科医への批判と、「本丸は加齢と処方の構造だ」という指摘が、前後の記事(10の提言・血栓症情報)とも噛み合う形で書かれている。

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