ピルとその周辺 rurikoブログアーカイブ94

【記事番号】No.94/107
【タイトル】緊急提言/ピルユーザーは抗リン脂質抗体検査を受けよう
【URL】https://finedayspill.blogspot.com/2013/12/blog-post.html?m=1
【投稿日】2013年12月17日火曜日

【全文アーカイブ】

緊急提言/ピルユーザーは抗リン脂質抗体検査を受けよう

ヤーズによる死亡事例が明らかになったのに続き、
本日の朝日デジタルは以下のように報じました。
「ピルの副作用、血栓に注意を 5年で11人死亡例」
血の固まりができる副作用によって、この5年間で11人死亡し、重症例が361件報告されていることがわかった。日本産科婦人科学会(日産婦)は緊急に注意を呼びかけたほか、厚生労働省研究班も実態調査に乗り出した。
 医薬品の安全を管理する独立行政法人の集計などによると、2008年~13年上半期に、低用量ピル11品目で、血の固まりが血管をふさぐ血栓の重症例が延べ361件、副作用として報告されていた。死亡は11件で10代1人、20代2人、30代4人、40代1人、50代2人、不明1人だった。
 血栓は血の流れが遅い静脈にできやすく、ピルを使わなくても10万人あたり年5人の頻度で起きる。ピルはこのリスクを3~5倍引き上げる。ピルに含まれる女性ホルモンが血液を固める成分の合成を促すためだ。副作用の報告はピルとの因果関係が不明の例も含むが、08年の33件から12年の105件に増え続けていた。

重症例が年平均約66人、2012年には105人は異常な多さです。
ピルユーザー数を多めに見積もって100万人としても、
予想されていた日本での発症者数は200人程度です(関連記事参照)。
ところが重症者だけで105人に上ることが明らかになりました。
異常な多さの原因については、関連記事で推測していますし、
詳しい調査結果が明らかになることを期待したいと思います。
しかし、調査結果が出て対策を考えるのでは遅すぎます。
血栓症の副作用被害を少しでも減らすために、
今すぐ実行すべき点を3点提案します。

1.ピルユーザー全てに血栓症の前兆を記したカードを配布すること。

2か月前に次のようにツイートしました。
ヤーズユーザーだけには血栓症の兆候を記した「患者携帯カード」を配布することになったが、ヤーズユーザー以外に配布しないでいい理由はないと思う。まさか、死者が出なけりゃいい、なんて理由じゃないだろうな?
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) 2013, 10月 11

ヤーズの異常な血栓症発症数から他のピルでも予想以上の副作用が発生していると推測できました。
そこで上記のツイートをしたのです。
全てのピルで即時に実行すべきと考えます。
また、カードには処方産婦人科医院を優先するのではなく、
早く行ける病院を優先すべきことをアドバイスすべきです。

2.クイックスタートを中止すること。

安易なクイックスタートが流行しています。
クイックスタートでは内因性エストロゲンが分泌されている状態で、
ピルのエストロゲンが付加されます。
これが血栓症の発症を高めることがないのか心配です。
クイックスタートについて十分な研究蓄積がない中で、
多少なりとも血栓症リスクを高める懸念があるならば、
クイックスタートは中止すべきと考えます。
(参照クイックスタートの流行に思う) 

3.抗リン脂質検査

ピルは、抗リン脂質代謝症候群の女性に禁忌です。
しかし、現実には抗リン脂質代謝検査が行われることはまずありません。
日本のピルユーザーの予想外に高い血栓症発症率の原因が究明されるまでの間、
全ユーザーに抗リン脂質検査を課すことを提案します。
また、ピルユーザーの皆さんは、抗リン脂質検査をしてもらうようにしましょう。
(内科だと保険でしてもらえるかも)
日本でピルユーザーの血栓症発症率を下げるのに有効な検査を一つだけあげるならば、ループスアンチコアグラント定量・抗カルジオリピン抗体検査(セット)だろう。定期検診で意味のない血液検査を繰り返すより処方前に1度検査した方が有効。
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) 2013, 10月 8

日本人では凝固阻止因子欠乏症は少ないが、日本のピルユーザーの血栓症に抗リン脂質抗体症候群が関係しているのではないかとの仮説は成り立つ。バイエルは血栓症発症の86例について徹底的に調査すべきだ。
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) 2013, 10月 9

個人的な意見だが自然流産を経験したことのある女性は、ピルの服用前に必ず抗リン脂質抗体症候群の検査を受けてほしい。https://t.co/vaUMFa5ARb
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) 2013, 10月 9

日本で不育症の出現頻度は5%。その17.4%に抗リン脂質抗体が認められる。これをもとに計算すると、抗リン脂質抗体は1万人につき85人。ピルによる血栓症発症率は1万人につき数名程度だから、抗リン脂質抗体でスクリーニングすればピルによる血栓症発症率を抑えられるはず。昨日TWの補足。
— ピルとのつきあい方(公式) (@ruriko_pillton) 2013, 10月 10


抗リン脂質抗体については、健康・病気・症状相談コーナー(あーちゃんの部屋)のコンテンツが参考になります。
網状皮斑については、以下の動画参照。(【網状皮斑】皮膚で抗リン脂質抗体症候群が見つかる!の関連)

関連記事
ピルの副作用被害をなくすための10の提言

ピルユーザーのための血栓症情報

「ピルの値段が高ければ高いほど血栓症発現率が高くなる」ってホント?

日本産科婦人科学会見解(平成25年12月27日)について所感

600人に1人が血栓症に--40歳以上のピル服用について試算

ピルによる血栓症発現率の現状を推測する

トリキュラー・アンジュによる血栓症等の副作用発現状況

ルナベルでも死者 重篤副作用は40歳代に集中、人為薬害の様相

ルナベル・ヤーズの錬金術

ヤーズの血栓症死亡例について思う事

「ピルは血栓症予防薬」という意外な観点

(アンケート)ピルユーザーに血栓症の初期症状情報は知らせされているか?

血栓症初期症状を説明している医師は21%

時刻: 22:23

【補足(私)】
(ここは「数字が揃ってしまった瞬間」に、rurikoさんが一気にアクセル踏んでいる回だなと感じる。
ヤーズ死亡例→朝日の「5年で11人死亡」「重症361例」→推計値との乖離、という流れで、「原因究明を待つ前に現場で今すぐ打てる3手」を具体的に列挙しているのが、本当に医療実務寄りの思考。
特に「抗リン脂質抗体(ループスアンチコアグラント+抗カルジオリピン抗体)で一回スクリーニングすれば、かなりの血栓症が防げるはず」という論理と、「自然流産歴がある人は必ず検査を」という一文は、いま読んでも刺さるので、そのまま残しておきたい。)

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