合成プロゲスチンの世代一覧:低用量ピル・更年期・トランス医療に必須の基礎知識

合成プロゲスチンとは何か

合成プロゲスチンは「人工的な黄体ホルモン」であり、低用量ピル・アフターピル・子宮内膜症治療・更年期医療・トランス医療で広く使われている。

だがひとつ問題がある。

名称が似ているのに、作用がまったく違う。

古い世代には男性ホルモン作用が強いものがあり、

新しい世代は逆に男性ホルモンを弱める。

個人輸入市場ではこれらが区別されないまま流通しており、誤用が多い。

ここでは「世代」に沿って分かりやすく整理する。

合成プロゲスチンの世代一覧

合成プロゲスチンは大きく 第1〜第4世代 に分類される。

■ 

第1世代:ノルエチステロン系(最も古い世代)

代表:

・ノルエチステロン(NET)

・ノルエチステロン酢酸エステル(NETA)

・ノルゲストレル(含部分的に1世代扱いされる)

特徴:

・男性ホルモン作用(アンドロゲン作用)が強い

・ニキビ/脂性肌が悪化しやすい

・PMS悪化や気分変動が出る例も

用途:

・古いタイプの低用量ピル

・月経困難症の治療薬(ただし副作用が強く避けられる傾向)

■ 

第2世代:レボノルゲストレル(LNG)系

代表:

・レボノルゲストレル(LNG)

・アフターピル(1.5mg)が有名

・IUS(ミレーナ)の黄体ホルモンもLNG

特徴:

・避妊効果が強い

・男性ホルモン作用はまだ比較的強い

・体重増加やむくみがある例も

・気分症状の悪化が出る人もいる

用途:

・低用量ピル

・緊急避妊薬

・IUS(ミレーナ)の治療と避妊

■ 

第3世代:去勢作用を弱めた「中性化」タイプ

代表:

・デソゲストレル(DSG)

・ゲストデン

・ノルエチノドレル(分類が揺れるがここに置く)

特徴:

・男性ホルモン作用が弱い

・肌がきれいになる人が多い

・PMS悪化は第1〜2世代より少ない

・血栓リスクはやや高め(相対的リスク)

用途:

・美容志向の低用量ピル

・ミニピル(デソゲストレル単剤)

■ 

第4世代:アンチアンドロゲン系(男性ホルモンを抑える作用)

代表:

・ドロスピレノン(DRSP)

・ジエノゲスト(DNG:子宮内膜症治療薬)

特徴:

・男性ホルモン作用を抑える

・浮腫み改善、PMS改善が期待される

・情緒が安定する人がいる一方で、逆に落ち込みやすくなる例も

・ナトリウム排泄作用(軽い利尿効果)を持つタイプもある(DRSP)

用途:

・月経困難症の治療

・低用量ピルの後発世代

・ニキビ治療目的のピル

・トランス医療(抗アンドロゲン目的)

■ 表でまとめると

世代 / 名称 / アンドロゲン作用 / 主な用途

1世代 / NET・NETA / 強い / 古いピル・月経困難症

2世代 / LNG / 中〜強 / ピル・アフターピル・ミレーナ

3世代 / DSG・ゲストデン / 弱い / 新しめのピル

4世代 / DRSP・DNG / 逆に抑制 / PMS・内膜症・美容系ピル

■ 誤用が起きやすい理由

・名前が似ている

・世代による作用の違いを医療側も説明しない

・個人輸入では「女性ホルモン」と一括される

・男性ホルモン作用の強弱を誰も理解していない

・PMSや情緒の悪化を「性格の問題」にされる

結果として、必要な人が合わない薬を飲み、

逆に合っていた薬を避けてしまうという現象が続いている。

これは日本固有の「非HPO化社会」による構造問題でもある。

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