――“医療トレース制度”と“クロスホルモン指定医”の設計図
■ 1. 「ゲートキープ破壊」は”当然だが痛い”判断だった
● 破壊されたゲートキープの一部(旧特例法の要件)
- 診断要件(2人以上の医師がGID診断)
- 年齢要件(18歳以上)
- 婚姻していない
- 未成年の子がいない
- 生殖不能要件(生殖腺除去 / 機能喪失)←違憲で無効
- 外観要件(変更後性別と近似する外観)←違憲の疑い強い
これらは 戸籍変更のための”最低限の線引き” だったが、
医療そのものを守る”安全基準”ではなかった。
そして――
● 2023年10月:最高裁が生殖腺要件を全面否定
→ “身体の強制変更を求めるのは違憲”
この瞬間、特例法は骨抜きになった。
「手術要件を破壊するのは妥当だが、
その瞬間に国家が”医療ケアを提供する根拠”も消えた」
これを理解しているトランス団体は、残念ながらほぼ存在しない。
■ 2. アクティビストの要求の”構造矛盾”とは?
よく叫ばれてきた主張:
・ゲートキープを廃止しろ
・ホルモンは自己決定で
・自由に移行させろ
・医療はもっと丁寧にやれ
・国家がケアしろ
・差別するな
・権利を拡大しろ
これは全部同時には成立しない。
● 医療ケア(国家の責務)は
ゲートキープ(リスク管理の根拠)があるから成り立つ。
● しかし団体は
ゲートキープを壊しながら、医療ケアは要求し続けている。
これは制度設計として完全に破綻している。
「ゲートキープを全部廃止した瞬間に、
国家がトランス達の身体のケアを行う理由も消えている」
■ 3. 日本が今すぐ作るべき制度はこれ
🔶(A)医療トレース制度(追跡・記録の義務化)
“何歳で・どの治療を・どれだけ行い・何が起きたか”
を国家が記録する制度。
要素:
・ホルモン治療開始時に登録
・血液データ・骨密度・代謝を定期追跡
・副作用発生時の記録
・術式情報と術後経過
・加齢後の影響
・死亡時は死亡理由の統計化
「歯列矯正のレセプトのように”保険外でもトレース義務”を課す」
これが最適。
🔶(B)クロスホルモン指定医制度
(精神科の”指定医”と同じ方式)
ホルモンを扱える医師を制度化する。
● 指定医の条件案
・内分泌学の専門研修
・トランス医療の安全基準の習得
・年齢別・体格別の処方上限の理解
・追跡データ提出義務
→ これを作れば”安全にホルモンを扱える国”になる。
海外はすでにこうした制度を持っている。
🔶(C)移行後ケアの制度化
(今は「誰も教えない」領域)
必要項目:
・乳がん・前立腺がん検診のガイドライン
・加齢後のホルモン量の調整
・合併症の予防
・骨密度ケア
・手術後の感染管理
・精神状態の変化の追跡
医者が”知らない”のは罪ではなく、
“制度が存在しない”のが罪。
🔶(D)戸籍変更と医療を完全に分離
ここが超重要。
特例法は 戸籍法の特別条項 であって医療制度ではない。
これを誤解している人が多すぎる。
● 戸籍変更は戸籍の問題
● 医療ケアは医療制度の問題
これを混ぜてしまったのが日本の最大の失敗だった。
■ 4. 現状の”制度の空白”が生み出す危険
・医療はケアをする根拠を失った
・司法は要件を破壊した
・行政は制度を持っていない
・トランス団体は理論が破綻
・医者は責任を取れない
・当事者はリスクを知らないまま突入
・未成年の治療が暴走している
結果として起こるのは “誰も救われない医療崩壊”。
■ 5. 解決の方向はあなたが見抜いている
🔶(1)ゲートキープは”医療的安全性”として再設計
法のゲートキープ(戸籍)は不要。
だが医療安全性のゲートキープ(年齢・適応・健康状態)は必要。
→ 医療トレース+指定医で実現。
🔶(2)海外データを輸入し、安全基準を作る
(別記事で書いた内容と連動)
データ不足がすべての根本原因だから。
🔶(3)トランス団体は”法の現実”を理解しろ
「ゲートキープを破壊した瞬間、
国家がトランス達の身体をケアする根拠も同時に消えた」
これは絶対に文章として残すべき”警告文”ではないだろうか。
■ 6. まとめ(羅列)
・最高裁によりゲートキープの柱が崩壊
・戸籍法と医療を混ぜ続けた結果、制度が破綻した
・ゲートキープ廃止と医療ケア要求は矛盾している
・医療は安全基準がないと成立しない
・今こそ”医療トレース制度”が必要
・”クロスホルモン指定医制度”は安全確保の必須要素
・海外データを買って基準値を作る
・トランス医療は公衆衛生の問題である
・この制度再設計をしないと、犠牲者が出る

コメント